「集計して」だけでは伝わらない
コンビニチェーンの本部で働く鈴木さんは、店舗ごとの廃棄金額を毎月まとめています。
AIアシスタントに「CSVを集計するコードを書いて」とだけ頼みました。返ってきたのは、商品の個数を数えるコードでした。
ほしかったのは、店舗ごとの金額の合計です。AIは、鈴木さんの頭の中を見られません。
このレッスンのゴール
メモ
目的と背景と例を入れた、はっきりした依頼を書ける。
今日のキーワード
| ことば | いみ | れい |
|---|---|---|
| 依頼文 | AIに送る、頼みごとの文章です。プロンプトとも言います。 | |
| 目的 | コードで何をしたいかです。 | |
| 背景 | 前提になる事情やデータの形です。 | 列は店舗コード、商品名、金額 |
| 制約 | 守ってほしい条件です。 | 標準ライブラリだけ |
| 入力例と出力例 | この入力ならこの出力、という見本です。 |
学生が入力するセルは、このプレビューでは空白です。
よい依頼には4つの部品がある
AIは、コンテキストにないことを推測で埋めます。推測を減らすには、情報を渡すことです。
よい依頼文には、4つの部品があります。目的、背景、制約、そして入力例と出力例です。
全部が長い必要はありません。1つの部品が1文でも、答えは大きく変わります。
あいまいな依頼と、はっきりした依頼
| 部品 | あいまいな依頼 | はっきりした依頼 |
|---|---|---|
| 目的 | CSVを集計して | 店舗ごとの廃棄金額を合計したい |
| 背景 | (なし) | 列は店舗コード、商品名、金額(円) |
| 制約 | (なし) | Python 3 で、標準ライブラリだけ |
| 入力例と出力例 | (なし) | A001の150円と498円なら、A001は648円 |
学生が入力するセルは、このプレビューでは空白です。
例を1つ見せると、ずれが減る
言葉だけの説明は、読む人によって意味が変わります。「合計」が個数なのか金額なのか、AIにはわかりません。
入力例と出力例を1つ書くと、ずれがはっきり減ります。「この2行なら、答えはこれ」と見せるのです。
例の値は、本物のデータではなく、自分で作った値にしましょう。
やってみよう: 依頼文を組み立てる
# コンビニチェーンの本部で、AIに送る依頼文を組み立てます。
# 4つの部品をつなげて、表示します。
goal = "店舗ごとに、廃棄した商品の金額を合計する関数を書いてください。"
background = "データはCSVで、列は店舗コード、商品名、金額(円)です。"
rules = "Python 3 で、標準ライブラリだけを使ってください。"
example = ""
prompt = goal + "\n" + background + "\n" + rules + "\n" + example
print(prompt)
# example に、入力と出力の例を1つ書いて、もう一度実行しましょう。
# 書き方の例: "入力: A001,おにぎり,150 と A001,弁当,498 → 出力: A001 は 648円"
よくある誤解
注意
多くの人は、丁寧な言葉で長く書くほど、よい答えが返ると考えます。答えを変えるのは、丁寧さではなく情報です。目的、背景、制約、例が入っているかを確かめましょう。